
なんかカッコイイ! 宮城県塩竈市「丹六園」の“志ほがま”
古代製塩の地、万葉の時代から歌人がその風景を詠んだという、塩作りの竈(かまど)と書いて「塩竈(しおがま)」に行きました。
このあたりも震災で津波の被害が大きかったところですが、きれいに整備された道路に面してずいぶんと古い建物があります。

ふる〜いケータイの画像ですみません。
これがあの銘菓“志ほがま”で有名な「丹六園」であることは間違いないのですが、近くに行っても店内にはびっしりと陶器が並んでいて、ええ? でも「丹六園」と書いてあるし、「志ほがま」の看板も出ているし、でもやっぱり陶器しか並んでいないし…と出たり入ったりしているうちに、別の入口の前にお菓子のショウケースを発見。もう一度店内に入ると、陶器に埋もれるようにお菓子のコーナーがありました。ああ、よかった。
とても上品で明るい奥様が
「わたしが好きなものだから、どんどん陶器が増えてしまって、これではお客さんも通り過ぎてしまいますよねぇ・・・でもお菓子も2種類しかないので場所もとらないし、ね。ふふふっ」
と。やっぱり不安になったのはわたしだけではないようで、おまけに不安になるのをわかったうえでの店づくり。それさえ、なんかカッコイイ! と思ってしまいましたわ。
※参考→丹六園についてはこちらに詳しい記事があります
“しおがま”という塩のきいたしっとり柔らかい落雁を扱うお店はいくつもありますが、丹六園の“志ほがま”は別格だと感じます。どこにも角のない塩と甘みのバランスとほんのり香る紫蘇。それに何より、みやこがねという宮城県産もち米粉の風味、旨味!
参りました。ほんとお店まで行ってその風景までもあわせて味わえて幸せな気持ちになります。

もうひとつの“長寿楽”はくるみ入り、黒糖風味。
こちらもすべてが丸くまとまるような絶妙な味わい。黒糖とくるみを加えても角の立つところがない味に、感動さえも。
ただ、塩やみやこがねの風味をより感じられるのは“志ほがま”のほうです。
お茶だけでなく、コーヒーのおともにもよろしいかと。
丹六園:宮城県塩竈市宮町3-12(JR仙石線本塩釜駅より徒歩5分)
和菓子
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これまたケータイ画像ですみません。

「チョコレート工房クレオバンテール」の“藻塩ショコラ”
こちらは塩釜の新しい塩スイーツ。仙台でも見かけた記憶のないショコラティエを塩釜で見つけました。
ビスケットとガナッシュクリームをミルクチョコレートでコーティングしています。トッピングされているのは藻塩。
まさかこのトッピングだけで“藻塩ショコラ”というのではと疑いながら購入しましたが、ビスケットもガナッシュも塩味です。それに気づいたときの嬉しさ! やはりチョコと塩のバランスが素敵です。
ちょっと買ってみただけなのに、思いのほか気に入ったのでご紹介。
チョコレート工房 クレオバンテール:宮城県塩竈市本町6-4(JR仙石線本塩釜駅より徒歩5分) 木、第1・3日休
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ということで先日、3度めの七ヶ浜町でのボランティア活動に参加しました。
おや? と思った景色、それは一面に広がる水田です! 青々と稲が成長している様子に感激しました。
でも実は、塩害の対策をしないまま試験的に植えたのだそうです。うまく実るかどうかは、やってみないとわからない、と聞くと少し複雑な気持ちになります。…たくさん実ってほしいなあ。
これまで優先されてきた経済活動につながる作業もだんだん少なくなってきて、今回は町民農園の整備。いまも仮設住宅で暮らす方々に、作物を育て収穫する楽しさをお届けするお手伝いです。
(わが家のささやかな家庭菜園も、これくらいしっかり手をかけなければ、と思いがけず反省したり。)
石巻や女川には、まだ胸の痛くなる光景がそのままありました。メディアに取り上げられる復興のニュースは嬉しいものです。でも実際にはまだ多くの人が仮設住宅で暮らし、安定した収入を得られる仕事に就けないひとも多くいる。復興したくても手を付けられない状態のところがたくさんある。被害の少なかったところでは風評被害で苦しんでいるひとがいる。
今回見たことをまた心に刻み、復興を強く祈り続けようと思います。
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