サクサクしないサブレ、玉澤総本店(仙台)/あん・さぶれ
仙台「玉澤総本店」の“あん・さぶれ”
先日、仙台へ行きました。たまには違うお土産を買おうと選んだのが「玉澤総本店」の新商品“あん・さぶれ”。
サブレやクッキーっていったら、サクサクしたりホロホロしたりしますよね〜ぇ。なのに開けたらすごーいしっとりした、平べったい饅頭みたいなのが出てきて・・・
え? なに? なにこれ?? サブレだよね?? さぶれってあのサブレじゃないの???
・・・大混乱。
パッケージを見たら「しっとりやわらか」と書いてありました。失礼しました・・・って、しっとりやわらかいのはサブレじゃないしっ!
しっとりしたサブレ生地でこし餡を包んで焼き上げました、、、だからしっとり・・・以下同文。
ちなみに「玉澤総本店」は“黒砂糖まんじゅう”が看板の和菓子店で、「九重本舗玉澤」とは別のお店。扱っている商品も違います。
もともと“九重”というお菓子を販売していた「玉澤」から暖簾分けや営業権譲渡でお店が分かれ、その後もいろいろな事情があって、どちらも1950年に現在の会社になったようです。
そんなこんなで、しっとりやわらか“あん・さぶれ”。なかなか濃厚な味わいですが、甘さのうえに効いた塩味がちょっぴり心地よい。
でもどうしたって、平べったい洋風まんじゅう、なんですけど。それだけが納得いきません(笑)。
玉澤総本店:仙台市青葉区上杉3-9-57
※JR仙台駅店にて購入。
***
今回の仙台行きの目的は一昨年、去年に続いて七ヶ浜町でのボランティア。年1〜2回の活動ではありますが、続けていくことで見えることがあります。
去年青々と広がっていて感激した、塩害の手当も不十分なまま取り組んだ田んぼは、ほとんどが米を実らせたものの、やはりだめだったところもあったそうで、今年はまた一部を休耕したり、試行錯誤が続きます。
わたしたちがお手伝いしたのは、米作りをあきらめて枝豆を植えることにした土地の瓦礫拾い。まだまだ大きな石、コンクリートやアスファルトのかたまり、ガラスなどが埋まったままのところがあるんです。耕運機が入れる状態になるまで、人の手で拾っていきます。
そして今回は、2年前に訪れて被害の状況に絶句した名取市閖上(ゆりあげ)地区でも側溝捜索のお手伝いをしました。
閖上地区は津波被害の大きかったところですが、住宅地の区画だけが流されずに残った様子はそのまま、草丈だけが伸びていました。2年前と違うのは、港の朝市に人が集まり、堤防ができて、釣りをする人が来る。
それなのに3年間捜索活動が手つかずだった側溝があったなんて…。
わたしが担当した場所から出てきた、まだ使われていない絵の具のチューブが7色。どんな絵を描くはずだったんだろうかと胸が痛みます。
閖上地区では、秋に土地のかさ上げ工事が始まるそうです。戻りたくても戻れないひと、戻りたくないのに戻らなければならないひと、さまざまです。そしてまだ手掛かりを求めている人がいるのに、いろいろな想い、思い出や無念も、工事でふたをされてしまいます。それが「復興」の裏側にあることを、心に留めておかなければなりません。
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コメント
サクサクしない焼菓子ですが、おそらく北海道の生クッキーや生サブレあたりが仙台に伝わってのかと思います。
http://news.mynavi.jp/articles/2011/03/23/cowkeys/
http://www.ryugetsu.co.jp/online_shop/detail.php?id=61
私はこれはこれでいいと思いますが流行っているわけではないようですね。
七ヶ浜と閖上でのボランティア活動お疲れ様でした。
除塩はなかなか上手く行っていないようですね。
時間をかけて復旧させるしかないのかもしれないですが。
震災関係のドキュメンタリーを録画しています。
連休中に少しですが、Blue-Rayに落とすなどして整理しました。 何度か閖上を扱ったものがありました。
閖上は度々取り上げられる有名な被災地の一つですね。
色々事情があって被災後そのままになったところがあるようですね。 そして復興のためにそのままかさ上げが始まってしまう。 どこかで妥協しなければならない、それを黙って見るしかないというのも何とも言えませんね。
投稿: 笹団子 | 2014-05-29 21:14
★笹団子さん
世の中に蔓延する「生○○」も、どうも納得いかないわたしです(笑)。
七ヶ浜には川がないので、農業用水は以前からため池を使用しているそうです。除塩を進められない理由のひとつです。
閖上はとくに津波被害の大きかった地区ですが、いつの間にか堤防ができて、今後のかさ上げと合わせて「前回と同規模の津波がきても大丈夫」と言われるそうです。それも「妥協」でしょうか。復興への願い・祈りの内に、ものすごく複雑な思いになりました。
投稿: kozue | 2014-05-30 17:56
かなり前の記事へのコメントになってしまいましたが、毎年続けてのボランティア活動、お疲れさまでした。いまだに手つかずの測光があるなんて・・驚きました。住民の方たちが3年もの間、さぞご不便かつ、不衛生な状況で暮らしていたかと思うと胸が痛みます。
南三陸で、あと少しでトラクターが入るというその前に、少しでも遺骨や遺品が見つかるようにとがれき撤去したのが2年以上前でした。あらためて被害の甚大さが思い知らされますね。
サブレはサクサクでもあまり手に取らないけど、あんこ入り黒胡麻つきはあんぱんみたいで、目をひきます。あんこのお味はどうだったのかなー。
投稿: あんころりん | 2014-07-04 09:26
側溝です
投稿: あんころりん | 2014-07-04 09:27
★あんころりんさん
しっかりしたサブレ生地にはさまれたわりに、きちんとあんこを感じます。でも何より、塩をきかせたのがよいと思いました(えらそー)。
今回は、閖上で実際に被災された方のお話を聞くことができました。前向きなお姿に頭が下がります。どんなに時間が経っても被災体験を言葉にするのは辛いことと思いますが、伝え続けてほしいと感じました。
投稿: kozue | 2014-07-04 16:25