小田原銘菓、お菓子のういろう
■小田原[あんとぱん] その5
「ういろう」さん家の“お菓子のういらう”。
「外郎(ういろう)」というのは、中国から日本に帰化して、のちに子が京都へ招かれ朝廷に仕えた「外郎家」の苗字なのです。中国の実家から処方を持ち帰った「薬のういろう」を本業としますが、接待客に供した自家製の菓子が評判となり、それが「お菓子のういろう」と呼ばれるようになります。
京都から小田原へ移ってからも、お菓子のういろうを商売にはしなかったのですが、江戸時代になって京都の外郎家に仕えていた職人が「ういろう」と名付けた菓子を販売するようになり・・・
と、歴史的・政治的背景などには少しも触れずにざっくりとまとめてみました。
詳しいことは商品に同梱されたしおり、お店からいただいた店舗案内や商品案内、そして手提げ袋にまでも…それは名古屋ういろうの方が知名度が高いことへの抗議文にも読めます…いちいち書かれています。
つまり、外郎家以外の「ういろう」という商品名は、他人様のお名前を勝手に名乗っているようなものなわけで。だから、わたしの後に入ってきたご婦人方のように「ういろうって、名古屋の?」なんてことを店内で声に出すなどもってのほかなのです。
ちなみに、名古屋のういろうに「ういろ」や「○○ういろう」が多いのは、外郎家に対する「仁義」と解釈しましょう(笑)。
味は何種類かありますが、やっぱり“白”。
心の底から素直な気持ちで「ういろうって、こんなにおいしいものだったっけ?」とひとりごと。すばらしい〜小田原銘菓。
もっとはやく固くなるかと思ったら、意外にそうでもなく。
固くなったら蒸し直して食せとありましたが、それよりもぜひやってみたいと軽く炙って食べました。ふ、ふふっ、ふふふっ…それもおいしいのだ〜。
そんなこんなで「お菓子のういろう」を販売するようになったのは明治になってから。
これは小田原城ではなく、ういろうの店舗。いまも店内にはお菓子と薬が並んでいます。
そういえば、この通りにはずいぶん古めかしくて大きな薬屋さんが何軒かありますね。
さて、もうひとつ楽しみにしていたお菓子が“錦甘露(きんかんろ)”。
求肥で餡を包んだ色とりどりの半生菓子。
抹茶のそぼろがまぶされた緑には白餡、紫のそぼろはこし餡、ピンクのあられは梅紫蘇の餡、ケシの実と黒胡麻には粒餡、黄色のあられは柚子餡。
こういうお菓子って、楽しいのよね〜。
ういろう:神奈川県小田原市本町1-13-17(JR東海道本線、小田急線小田原駅より徒歩15分) 水,第3木休
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コメント
私も過去にこちらには行っています。
このお店は東海道に面しているので成田の薬局ではありませんが、古の旅人が薬を買い求めていたかもしれませんね。
今では箱根帰りの人たちが立ち寄っているようですね。
投稿: 笹団子 | 2012-02-15 20:00
★笹団子さん
はい、笹団子さんの記事も読ませていただいております。
薬屋さんで「人が集まる・通るところ」を感じたのは初めてかもしれません。
箱根行きのバスもこの前を通るんですよね。車もひっきりなしに店先に止まるので、なかなかお店の写真が撮れずに待ち続けました(笑)
投稿: kozue | 2012-02-15 22:38
小田原のういろうって記憶に拠れば昔はひとり一本しか買えなかったんですよね。今はそういった縛りはないようですけど。
錦甘露(きんかんろ)はすこし吉水園の"京おんな"に(が)似ている気がします、ワタシも好きですこういった組み合わせのお菓子
ところでHPを眺めてて思わず立ち止まったのは冷え性に効くという「振出し五香湯」。ティーバッグ4個でこの値段、すごい。
ねえ お薬買わなかったの?
投稿: あんころりん | 2012-02-22 17:08
★あんころりんさん
やっぱりわたしも思っていました。>京おんな
ひとり一本なんてことがあったんですかー知りませんでした。
お薬はながめただけです。おみやげにするにも、薬は薬ですからねえ(笑)。でも買ってる人もいましたよ。
投稿: kozue | 2012-02-22 22:23
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 職務経歴書 | 2013-05-19 12:49