編みぐるみ和菓子店の展〜糸で編む菓子、いとをかし
2011年11月、「ギャラリー根津七弥(2012年閉廊)」にて開催した作品展「編みぐるみ和菓子店の展〜糸で編む菓子、いとをかし」の記録です。
全体の雰囲気をまとめました。ひとつひとつの作品については「編みぐるみ和菓子店」のページをご覧ください。
左側の狭い路地を入ったところにギャラリーがあります。
ギャラリーの隣にかわいらしいパン屋さんがあるので、狭い路地もにぎわっています。
ギャラリー入口(写真クリックで拡大表示)
趣のある建物は大正時代のもので、質屋だったのを改装し、2010年10月にギャラリーとしてオープン。
この路地、狭いのに人通りが多いのはいいのですが、「へえ〜、和菓子屋さんだって〜」と通り過ぎるひとの多いこと! それ、間違ってますー。
「入ってみたかったけれどなかなか機会がなかった」と興味深そうに入ってきた近くにお住まいの方もいました。
2日めに現れたギャラリーのオーナーさんから「知っているわたしも『和菓子屋?』と思ったから、もっと <ギャラリー> で <作品展示> というのを強調した方がいい」とのご指摘を受け、あわてて看板や入口を修正することに。写真はすべて修正後のものです。
別角度からのギャラリー入口(写真クリックで拡大表示)
ショーケースには【粽】を展示。
で、3日めからショーケース内に「食べられません」のカードを立てました(笑)。
ギャラリーの下見に行ったとき、まず「ここには粽を置こう!」と思いました。ええ季節外れなのは承知です。
でも決めたあとで知ったのですが、根津神社には4〜5月に行われる「つつじまつり」で授けられる“厄除け粽”があって、地元の方には“粽”が身近なものらしく。厄除け粽は食用ではなく、1年間玄関に飾って家内安全を願うのだそうです。
おお、ショーケースに粽。まるで知っていて飾ったみたいではありませんか!
「粽、買えるの〜ぉ?」と入ってきたご近所さんがいました。いいえ、買えません。
「この粽、根津神社に奉納すれば?」ともいわれました。ぜ〜ったい嫌です。
入口カウンターあたり
実はギャラリーを決める際、靴を脱いであがることと、カウンター越しの高いところからお客様をお迎えすることに少し抵抗がありました。
とくに女性はブーツを履く季節。実際、覗いてみたものの靴を脱ぐのが嫌だと入っていただけなかった方もいます。
でも、興味あったら靴脱いででも見たいよね、そうだよねぇ?(笑)
新しい和菓子屋さんができたと思って何度も犬の散歩途中に前を通ったというご近所さん。いつ見ても販売している気配がないので、近くのお店で「あそこ、いつやっているのかしら」と訊いてみたら「編みぐるみの展示なのよぉ」と教えてもらったとか。犬をおいて、作品を見にすっ飛んできてくれました。しかも、別の日にはお友だちを連れて「また来ちゃったわ〜」。嬉しかった〜。
和室展示室を廊下から見る
カウンター横からあがると、廊下の向こうに和室。和室の左奥に蔵があります。
畳の部屋には、日々のおやつを中心に展示。
食べられないお菓子を前に、テーブルを囲んでくつろぐひとがたくさんいました。それはもう狙いどおり! とひそかに喜んでいたわたしです。
和室に入って右側、棚の横にある明かり取りの下にお月見セットを展示。ここに正座してしばらく動かない方が何人もいたのですが・・・何か祈ってました?(笑)
左は東北のお菓子。東北出身の方からは「地元のお菓子だ〜」と喜んでいただきました。
【福島のゆべし】には、「これ、おいしいのよね〜」の声がたくさん。
山形の【からから煎餅】は、とくに関西出身の方にはなじみがないようで、「これはどこのお菓子?」という質問を何度か受けました。
【ずんだ餅】の毛糸の触り心地はやはり人気が高い! 宮城出身の方からは、ずんだ餅は年に一度だけ作る特別なものだったという興味深いお話も伺いました。
壁に展示した写真は、編みぐるみ作品と参考にしたお菓子を並べて展示。
そういえば、前回(2010/4)の作品展では、ウェブサイトにも使っているおバカな写真をパネルにして、たくさん展示しました。この写真をほしいひとなんてそんなにいないよね〜、と思いつつも、「ご自由にお持ちください」と箱に入れておいたら・・・3日間でからっぽに!
あれ、写真プリントではなくインクジェットプリンターで出力したものなので、なんだか申し訳ない気持ちになってます。スミマセン。
右の【季節の上生菓子】は今回の作品展のためにひそかに制作していたもの。華やかなこともあって、ひときわ歓声が上がります。
個人的には完成度に差がありすぎて、お客様の反応がいちばん気になったところですが。
これは写真を見ながら作れる作品も多いので、今後もネタには困らないぞと続けて行くつもりです。
一般的に馴染みのないお菓子もあったので、「和菓子のデザインのお仕事ができますね」といわれましたが、いやいやいやこれ全部実際にあるお菓子ですから(笑)。そこはしっかり否定。
手触りを一番楽しめる展示でもあります。というか、楽しんでほしくて、お客さまが少ないときにはついつい「これ触ってみてー」「こっちも触ってみてー」としつこいほどに説明(笑)。
でも楽しかったでしょう? 楽しかったよねえ? とさらに強要してみたり。
以上、簡単ではありますが(そうでもないか?)作品展の記録でした。
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