かんのや(福島)の家伝ゆべし と編みぐるみ和菓子店*ゆべし
福島「かんのや」の“家伝ゆべし”、餡を包んでいます
「ゆべし」はじつに古くから伝わるもので、これほど同じ名前でありながら全国にいろいろな形で存在するお菓子は多くないと思うのですが、とりあえず「柚餅子」と書くように、柚子を使ったものが一般的です。くりぬいた丸ごとの皮に味付けした餅を詰めたり、きざんだ皮を餅に混ぜ込んで丸めたり、棒状に伸ばしたり。また味付けも、お醤油ベースだったり、甘みのある白い餅だったり、いろいろ。
お菓子ではなく珍味という分類(?)もあって、わたしも餅を使わず練り味噌を詰めた“味噌ゆべし”を何度か作りました。
(参考)“丸ゆべし”に関する過去の記事
→中浦屋(石川県輪島市)/丸ゆべし(2007/4)
→天任堂(岡山)/丸ゆべし(2008/3)
さて、東北のゆべしは柚子を使わず、クルミや胡麻を使うのが一般的。自生する柚子がなかったそうなのですね。福島辺りがぎりぎりの北限らしいのです。そこで手に入れやすいクルミを使った。材料が変わって製法と名前はそのまま伝わった、というのはほかの料理でも聞く話です。
そういうわたしもなぜか幼い頃より、東北に縁もないのに柚子の入らない“くるみゆべし”をよく食べました。
伊達政宗が好んで兵糧にしたという仙台のゆべしは四角い形ですが、福島ではゆべしといえば写真にある三角形のこの餡入りのものが圧倒的に知名度が高いそうで。。。
→「かんのや」のサイトはこちら
※東急百貨店吉祥寺店にて購入。
はい、編みました。
ちなみにこの三角形は鶴が羽を広げた形をイメージしたものだそうです。
わたしも、坂上田村麻呂を育てた二羽の丹頂鶴を思い描きながら編みました(笑)
→編みぐるみ和菓子店をご覧くださいませ。
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コメント
ゆべし達、かわいい~!
タイトル見た瞬間「あ、編んでる」と思いました(笑)
味噌ゆべしというのがあるのですか!知らんかった。
ワタシも子供の頃からくるみゆべしに馴染みがあります、おみやげやらなんやらいただき物が多かった。柚子のゆべしを知ったのははほんの最近、kozueさんに教わってから。
で、そのすりこみがあってか、いまだに家伝ゆべしが好きな味です。
しかし坂上田村麻呂ってものすごーくいろいろな伝説がある人なんですね、びっくり。
投稿: あんころりん | 2011-06-28 15:37
いま 気がついたけど裏側は見せないのね(笑)
投稿: あんころりん | 2011-06-28 15:38
★あんころりんさん
裏は面白くないので(笑)
でも、餡の透ける下の方は編み目を粗くして、中の餡がなんとな〜く見えるようにしたのですよ。こればかりは実物見ないとわからないのですけれど。
実は餡をとじてから、2つの重さがぜんぜん違うことに気づきました。見た目わからないので修正せず。
坂上田村麻呂って、鶴と会話できたのかなあーと本気で思ったわたしはアホでしょうか。
投稿: kozue | 2011-06-28 16:18
ついに織っちゃいましたか?(笑)
ゆべしは大概、切り分けたお餅の形をしているのですがかんのやは丁寧に一つずつ折りたたんでいますね。
ちなみにゆべしはトルコの「ロクム」というお菓子に似ていて(何のでんぷんを使っているのか知りませんが、蜂蜜を使っているとトルコ人から聞きました)特にくるみゆべしの評判がいいそうです。
私もナッツが入ったお菓子はどこの国のものでの大概好きです。
投稿: 笹団子 | 2011-07-12 20:48
★笹団子さん
ロクム、調べちゃいました。コーンスターチですね。へえ〜〜。
求肥よりゆべしのほうが近いという意見もありますね。おもしろいお話、ありがとうございました。
餡を包んでいるのがポイント高いです、かんのや。友人からも「ゆべしは好きだがかんのやの家伝ゆべしは飛び抜けて好きだ」というようなメールが来ました。
投稿: kozue | 2011-07-12 22:07