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2009-02-06

ボヌール(三軒茶屋)/クーロンヌ

再びの感動はあるのか

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三茶「ボヌール」の“クーロンヌ”
ほんのり酸味のある天然酵母のパンは石臼挽きの小麦の風味が感じられます。


先月、世田谷パブリックシアターで上演された「冬の絵空」という芝居を観たのです。
わたしにとってこの芝居、もう何年も前に当時生瀬勝久氏が座長を務めていた京都の「そとばこまち」という劇団が東京でも上演し、初めて「そとばこまち」を知り、その完成度の高さにココロ震えた、とてもとても思い入れのある芝居なので楽しみにしておりました。でも同時に年月が経ちキャストが変わると残念な気持ちになることもあるわけで。
結果は・・・観てよかった。あのときのようにココロ震えました。主演の藤木某に圧倒的なもの足りなさを感じたことを差し引いても。ほんとにここS席? と思うほど遠く高い位置から見下ろす席なのが悔しかったとしても。ああ来年あたり再演してくれないかしら、できれば主演を変えて(藤木直人ファンの皆さん、許して)。

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“ブール オ ノア”
カンパーニュ生地にクルミの入ったパンは小さくても重量級。


さて、三軒茶屋なんて滅多に行くことのない場所なので、ちょっと気になっているパン屋さんにも寄っておこうと向かったのは、石窯パンの店「ボヌール」。こちらのシェフ、パリの老舗パン店「ポワラーヌ」で10年間もパンを焼いていたのだそうです。(なんで来日したんだろう?)

ポワラーヌといえば数年前、日本橋タカシマヤで週一回パリから空輸したパンを5000円!!! で販売して話題になりましたね。さすがに5000円のパンは買う気にならなかったけれど、2000円くらいのを涙目で購入し、そのおいしさに号泣した(ちょっと誇張)ことがあります。
もしかしてあの味が三茶で買えちゃう? と期待してみたのですが・・・。

フランス人シェフのお店にしては、商店街にふさわしくいわゆる日本の惣菜パン・菓子パンが豊富。フランス人が焼きそばパンや明太フランスやあんぱんを焼くのですか、といってもスタッフは日本人ですから。そして街のパン屋さんにしては食パンやハード系食事パンも充実。なんだかとにかく品数が多くてちょっと楽しい気分です。
でもパンの香りが弱いような。焼き立てパンが次々に出てくるわりには、クリームの甘い香りぐらいしか漂ってこないので盛り上がりかけた気持ちも下降気味。えーと、わたしはパンの香りにシアワセを求め過ぎでしょうか。

そんな中で気に入ったのが“クーロンヌ”と“ブール オ ノア”。どちらも目のつまった重量感のあるパンは、かむごとに粉の味わいがじんわりと広がります。


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“バゲット”はどっしり重たく目のつまったタイプ。でもやっぱり重さのわりに香りが弱いので、しっかりしたおかずがないとつまらないのです。

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“パンボヌール”1/4サイズ。
こういうカンパーニュはフランス人は得意でしょ〜と勝手に思い込んでおります、はい。これこそポワラーヌ級の味を期待しましたが、敗北感。ええもちろん好みの問題です。サンドイッチにしたらそれなりに。


ところでもうひとつ期待していたのが“ボヌールサブレ”。たぶんポワラーヌのレシピで作られていると思うのですが。
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去年縁あってお裾分けをいただきおいしくて感激した、焼きの甘い(笑)ポワラーヌのサブレのような喜びを味わえるかと思いきや、こちらはしっかり焼きが入ってやや軽やか。若干の焼きムラと不揃いな形の混入は気にしないことにして、これはこれで悪くはないが、やはりわたしは焼きの甘さも含めたトータルでポワラーヌの焼きの甘い(しつこい)サブレが圧倒的に好きです。


ブーランジェリーボヌール:世田谷区太子堂4-28-10(東急田園都市線三軒茶屋駅より徒歩3分) 年始以外無休

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コメント

>生瀬勝久氏
なるほど!それで朝日放送「探偵!ナイトスクープ」をご存知なんですね。 今は「爆発卵」が一番有名なネタですが、生瀬勝久氏が道頓堀に沈んだカーネル・サンダースを探した話も秀逸と思います。 当時の彼の芸名は・・・。 控えさせていただきます。(苦笑)

パンに関係ない話で失礼しました。m(_ _)m

投稿: 笹団子 | 2009-02-09 22:24

★笹団子さん
「爆発卵」、何度見ても泣くほど笑えます。えーと、生瀬さんのはサンタがサンダースを探したんでしたね(笑)
いまはMXテレビなどで放映してくれるので、毎週楽しめます。

投稿: kozue | 2009-02-09 23:05

三茶は乗り換えでしか使ったことありません。
やっぱり本家と分家はやっぱり違うんですね。
でも、その5000円とか2000円とかっていう
パンもすごそう。
そんなの食っちゃった日は
他に食えなくなっちゃいますね。

投稿: yottyan | 2009-02-10 15:02

★yottyanさん
10年間パンを焼いていたって、それ以上もそれ以下の情報もないので(笑)。
さすがに5000円のパンってきいたときは笑っちゃいましたけど、空輸するにはいろいろとお金がかかるわけで、しかたないかなと。そしてパリへ行くことがないなら、やはり一度は食べたいと思ってしまったわけで、食べたらそれはそれはおいしかったので、たまにはご褒美だ(何のご褒美?)ということにしてしまいました。

投稿: kozue | 2009-02-10 23:38

ブルータスの特集に出ていたパン屋さんでしたっけ。
今度入ってみます。しかし。爆発卵がAmazonにあるのにも驚くけど焼きそばパンってのもかなりのものですね、そちら系に興味が沸きました。
ところでフランス語のブログに何を書いているのだろうか。

投稿: あんころりん | 2009-02-11 20:12

★あんころりんさん
何かのパン特集に出ていましたね。
焼きそばパンが四角くてペチャンコでした。箱根の「麦師」もたしかペチャンコの焼きそばパンだった。
ブログがフランス語だったのが、当たり前なんだけど笑えました。だって、誰に読んでもらいたいんだろう?

投稿: kozue | 2009-02-12 17:42

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