美濃忠の初かつをと老松の上生菓子〜端午の節句の和菓子たち その2
名古屋「美濃忠」の葛製蒸し羊羹“初かつを”
端午の節句のお茶会に、師範が用意してくれたステキなお菓子は前回の記事にご紹介しました。
→前回の記事はこちら
師範のプランをきいた時点で、ひとりあたり3〜4個の生菓子のほかに干菓子・煎餅がたくさん用意されていることはわかっていたのですが、それでもこんな機会はめったにないからと提案してみました。
「あのー『老松』のお菓子と“初かつを”を持参してもよろしいでしょうかー」
そんなわけでわたしが持参したお菓子のひとつ「美濃忠」の“初かつを”。大好きなとろ〜んふる〜んがうれしい蒸し羊羹の“上がり羊羹”とともに、今春の新宿タカシマヤ大リニューアルで地下「銘菓百選」に入荷されるようになりました。
ただし“初かつを”は2〜5月、“上がり羊羹”は9〜5月の入荷です。
包みを開けたら美しいピンク色に「まぐろだ、マグロー」と声をあげたひとがいましたが(笑)、鰹といったらカツオなの。どうしたって魚の切り身に見えるその美しさにうっとりです。
上がり羊羹とはまったく違う弾力があって、ぷるん♪としていますが外郎(ういろう)とはまた少し異なった食感なのは、葛と米粉の違いによるものなのでしょうか。
もうひとつ、どうしても師範の点ててくださるおいしいお茶とともに味わいたかった京都「老松」のお菓子。
花菖蒲(こなし)、楓餅(道明寺)
木賊、兜(どちらも薯蕷饅頭)
「老松」は新宿伊勢丹のリニューアルでうれしい東京初出店を果たした京都老舗店であります。
どうでもいい話ですが、店員さんが予約注文票にこれらの菓銘をさらさらっと書いたことに感心。わたしが自信を持って書けるのは「楓餅」しかありません。そして「こなし」と書かれたことに感激。東京ではあまり「こなし」って言葉聞きませんからね〜。
「老松」への熱き思いは最近あんころりんさんが語っていらっしゃいます。
→『老松』夏柑糖,芋煉きんとん,紅あんわらび餅」 有職菓子御調進所「老松」に魅かれ続けるわけ 山人艸果,夏みかん,よもぎ餅,薯預まんじゅう他
さて、お茶会の後は宴会へ突入。宴会のために師範が出した指令は「下賤なツマミを持ってきなさい」。
この的確な指示に、みな納得でありました。あんこの後の塩辛い漬け物のおいしさを知ろうとは(笑)
美濃忠(本店): 名古屋市中区丸ノ内1-5-31
※新宿タカシマヤB1F 銘菓百選には9〜5月(上がり羊羹)、2〜5月(初かつを)の金曜に入荷
老松(伊勢丹新宿店):新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店B1F
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コメント
こんにちは。
自分も一瞬マグロだと思いました。
テレビの和菓子選手権とかで、お寿司みたいな和菓子を作っていたのを見たことがありますが、実際に販売されているところもあるんですね。
どんな味がするんでしょう。
食べてみた~い♪
投稿: 和菓子ハンター | 2007-06-17 17:18
>和菓子ハンターさん
たしかに血合いがないからマグロっぽいですね(笑)
あの美しい筋目を見たときの感激ったらありません。
味は「ういろう」です。舌触りはういろうよりもう少しねっとりした感じかな。ういろう苦手なひとにはつらいと思います。
投稿: kozue | 2007-06-17 21:49
げげげ、忘れていたけど老松の花菖蒲はこなしでしたっけ?
そうだ、今思いだしたけど米粉と小麦粉使ってた気がします~。
書き直さなきゃ…。教えてくださって感謝です。
あ、すみませ~ん、ありがとうございます、いつもきちんとご紹介いただいて。
実は初かつをはいろいろあって口にできなかったのです。
(例の如く、注文した日に入らなくって。わざわざ出かけたのにい)。入荷後2日経った物がケースにあったけど、上がり羊羹が初日の方が断然おいしかったので、あえて見送りました。
読ませていただくと、こちらの方が“ういろう度”高いみたいですね。
美濃忠の上がり羊羹は米粉ではなく小麦粉なのでういろう、と言うより蒸し羊かんらしさがはっきりしていた気がします。(些細なことをすみません)
なんにせよ、目からウロコのおいしさですよねー。
そう、しょっぱいのが食べたくなるよね。でもメビウスの輪状態に…。
投稿: あんころりん | 2007-06-17 22:53
>あんころりんさん
はい〜店員さんが「こなし」とはっきりおっしゃいました〜。
初かつを、そんな事情がありましたか。
わたしはてっきり「葛製で上がり羊羹並みのぷるりん感」と思い込んでいたので、ちょっと裏切られた(笑)。かなり<ういろう度>高いです。でもういろう好きだから問題な〜い、です。
だから上がり羊羹とはまったく別モノでした。ああでもそんな話をすると上がり羊羹が恋しくなってくるではあーりませんか。困った困った。
宴会では漬け物、キムチ、ポテトサラダがおいしくておいしくて。
投稿: kozue | 2007-06-18 17:48
すごい、どうみても切り身ですね。
これだけ遊び心があると、いいですね。
注目を浴びますね。
老松のお菓子もおいしそうですね。
ところで、こなしって何。
(自分で調べろっかな)
しかし皆さん本当にお詳しい。
漬物も、いいですね。
胡瓜も朝早く畑でもいで、味噌付けて食べるのも
いけますよ。
投稿: yottyan | 2007-06-20 10:00
>yottyanさん
これね、ほんとに実物見たら感激しますよ。これがお菓子なんですから。
「こなし」は煉り切りみたいなものですが、基本的には餡と小麦粉をまぜて蒸して練り込んだものをいうそうです。煉り切りの方が、それに求肥を混ぜているぶんしっかりした形を作ることができると聞いたのですが・・・
わたしも食べただけでは煉り切りとの違いがよくわかりません(きっぱり)。お店のひとに聞けば間違いないので、自信たっぷりに「こなし」と書きました(笑)
投稿: kozue | 2007-06-20 14:09