京都某所のコリアンダーシード入りライ麦パン
近ゴロ京(ミヤコ)ニ流行ルモノ。。。今回はちょっと語っちゃうよ
京都を歩いたその日は晴れたり曇ったりしながらも1日中風花の舞う寒い日でした。
千本通から一本裏の細い通りの、しかもそこからまた砂利道をずーっと入っていった先に突如現れた電球に導かれて、ひっそりとたたずむ築90年(たぶん)の古民家へ。夜はこちらでパンとワインのひとときをと思いまして。2年ほど前にオープンしたというそのお店は、
教 え て あ げ な い。
最近は雑誌などにも紹介されて、一部の人たちにはものすごく知れ渡っているのだそうです。
わたしもネットで偶然知ったので、興味があれば自力で調べるがいいさ。ふっ。(なんだか別人格)
しかし入口には「本日食事メニュー終わりました。ごめんなさい」ですと。
ショックを受けつつ来た道を戻りかけたのですが、こんな寒い日に、こんなわかりにくいところに、しかももう真っ暗なのに迷うことなくまっすく到着したのです、どうして帰ることができましょう。あきらめきれずにお店に電話を入れ、パンが少しと飲み物があるとのご主人のお言葉にまた路地を入り砂利道を進みました。パンがあるならそれで十分です。
戸を開けて、声をかけて、返事があろうとなかろうとずかずかと上がらせていただき、ストーブとこたつで暖まります。ほっ。
ここはドイツパンのお店。
スープのついたサンドイッチのセットがもうおしまいということで、パンとチーズのセットと赤ワインをいただきながら、翌日の仕込の手を休めてときどき出てきてくださるご主人とのお話も楽しんだり。
ライ麦パンといっても酸味をあまり感じない食べやすいタイプ。もっと酸味があってもわたしはオッケーですが、この食べやすさならいろいろな食材と組み合わせる楽しみもあります。
ご主人はパン職人としての修行経験がないそうですが、自分の作りたいパンがしっかり決まっていれば2年でここまでできるんだなあ。この日いただいた中ではヒマワリの種の入ったライ麦パンがとっても気に入りました。
さて、そんなご主人がステキな笑顔で控えめながらも自信たっぷりにお勧めしてくださったのが“コリアンダーシード入りのライ麦パン”
コレ好きだーすごく好きだーあ。
わたし、コリアンダーの香りが大好きでしてね。表面にも、カットした断面にも、コリアンダーシードが丸ごとコロコロと入っていて、思わず笑っちゃう魅惑的な香り。たとえばキャラウェイ入りのパンなどとはまた違ったさわやかな香りがものすごーくうれしい味でした。
ご主人推奨のグリュイエールチーズとの組み合わせもGOOD。ほかには何が合うかな〜といろいろ楽しんでます。
お店で見せていただいた掲載誌の記事はどれをみてもサンドイッチのおいしいカフェ的な扱いです。その日もランチがすごく混んで、サンドイッチのセットが終わってしまったんですって。
実際わたしもそのサンドイッチは食べてみたいと思いますが、お店の楽しみ方としては違うような気がします。時間を気にしながらがやがやと食事をするようなお店ではなくて、もう今日は何にもしなくていいのーってな日にのんびりとパンをつまみたい所。
わたしたちもパンとチーズとワインだけでゆーっくり流れる時間を存分に楽しませていただきました。いやほんとに楽しかったのよ。大満足でしたのよ。
ご主人から「どこのパンが好きですか?」とたいへん難しい質問を受けまして、「ドイツパンなら」と家人のこたえはかつて吉祥寺にあったスイス・ドイツ菓子の老舗「ゴッツェ」のゴッツェさんが週末に作る“田舎パン”(「ゴッツェ」は数年前に閉店)。もう二度と食べられないパンを堂々とあげてしまいましたよ。でもわたしもドイツパンならゴッツェの田舎パンに一票です。
このお店のご主人にも、いつまでも心に残るようなステキなパンを作っていただきたいと願いつつ。
京都のパン屋さんはどこもお惣菜パンやお菓子パンがものすごく充実していてそれはそれで楽しいけれど、逆に「これぜひ食べてみたいわー」と思うお食事パンになかなか巡り会えず。翌日もいくつか最近話題のパン屋さんに行くつもりだったのですが、なんだかそういう気分でもなくなっていたのですよね。
さらにこちらのパンをいただいたら、どうでもよくなっちゃった。家人は「せっかく来たんだから、行ってみたら?」といってくれますが、ほんとにどうでもよくなってしまったのです。
もう、どーでもいいのだーーあ。
そんな会話が聞こえたわけでもなさそうなのに、ご主人が厨房から顔を出してステキな提案をしてくださいました。
「もし興味がおありなら、フィンランドのパンを焼いているお店に行ってみます? 地図描きますよ」
!!! ありがとうございます! ぜひ!!
ということで次回を待て。
※最後まで読んでくれてありがとう。さっそく「京都」+「ドイツパン」で検索してみる?
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コメント
kozueさ~~~ん。秘密。って(笑)言われたら、検索しちゃうじゃないですか?!(笑)
って、もう、しっかり、見つけた☆うんうん。めもめも。あ。でも、そこまで、たどりつけるかどうか?だって、砂利道なんでしょ?(笑)鼻が効くかどうか?くんくん。
投稿: rossa | 2006-03-07 19:46
なんかすごい。魅惑のどいつパンという
感じですね。寒さの中、やっとたどり着いた
小さな灯。そしてあたたかな団欒、
きわめた素材。コリアンダーシードですか。
種系もいけると思いますので、
是非試食したいですね。
陰陽師にでも頼んで探してもらいますか。
京都は惣菜パンや菓子パンが多いのですか。
でもスープとかと一緒に
田舎パン食べたいですね。
パン、パン。
フィンランドが楽しみです。
京都の街なら
式神に探らせますよ。
見つけてみましょう。
投稿: YOSHI | 2006-03-07 23:50
>rossaさん
ああ、rossaさんならたどりつけないかもしれない・・・うそ(笑)
思いがけず京都古民家体験できてうれしかったです。できればキッチンものぞきたかったなあ。
>YOSHIさん
陰陽師に頼まなくてもすぐ検索できますよ(笑)
投稿: kozue | 2006-03-08 20:02
すごいです。こんなところ車でも
通らない。穴場ですね。
参りました。
この辺はさすがに行かないと思います。
こりゃ式神でも探せない。
雰囲気がある、なんというか
あんころりんさんじゃないけど
粋なお店ですね。
投稿: YOSHI | 2006-03-08 23:12
>YOSHIさん
見つけましたね(笑)
そう、雰囲気があるんです。でも「粋」という表現はちょっと違うかな、と思います。そこには実際にお店に足を運ばないと感じることのできない空気、時間が流れているのですよ。
投稿: kozue | 2006-03-10 20:41
長かったですねーこの2日間、お疲れ様~(seesaa並、笑)
はい、わかりました。良いお店ですね。その場の空気に触れたいです、とても。
でもこれ読んだ人全員検索すると思うけど・・さあ、どーします?(笑)
ともあれ。
ここをそっと大切にしたい気持ちと同時に
世の中にはこんなに素晴らしい事が存在するのだ、って伝えたい気持ちの二律背反。
珍しく?お店の方細かい描写が詳細にあるせいか、そう感じました。
ところで先日お会いした初見の方もこちらを推奨カフェに挙げてました。
私もフィンランドが楽しみです
あとうちでのコメントありがとうございます、またレス入れてるのでもし未読でしたら。
ps:ココログもたまにはあるんですね
投稿: あんころりん | 2006-03-11 08:01
あんころりんさん同様、待ってましたよ~!お疲れ様でした(笑)
そしてごめんなさい、私も検索しちゃいました。
この記事読んだら皆、検索せずにはいられないでしょう。ちょっと後悔?
3つのキーワードで見つけてしまいました(笑)
でも「教えたくない」っていう気持ち、わかる!
静かに静かに私の「行きたいお店リスト」に加えておきます…。
ここと出会っちゃったから、他はどーでもよくなったのね~。
次のフィンランドのパン、楽しみに待ってるじょ!
あ~~、京都行きたい~~~~!!
投稿: ちょこ | 2006-03-11 10:53
ほんとにもうログインできないしコメントできないしどうしましょうって感じでしたー。遊びに来てくださった皆さん、ご迷惑おかけしました。
>あんころりんさん、ちょこさん
そうです二律背反。でもすぐ検索できるので、検索してもらっていいんです(笑)
古民家がおしゃれなサンドイッチカフェじゃないのよ、ってことをわたしの記事で読み取っていただければそれで。お店の名前出しちゃうと、そのあたりを汲み取っていただけないような気がしたので、あえてこんな記事にしてみました。一般人が気にするようなことではないとも思うのですが、大好きなお店なので。
ではちょっと遅れてますが、フィンランドパンの記事書きます。
投稿: kozue | 2006-03-11 21:02
私もこのお店とkozueさんの文章にふさわしく?かどうか、今あらためて読み直すと今一度コメント書きたくなりました。先ほどはやっとアクセス出来たのでそれこそ「がつがつ」と書き込んでしまいましたが。
kozueさんのこの文章じっくり読めば店名を知ろうが死ぬまで知らないままでも、ここのちょっと古い家の澱のようなにおいを肺にいっぱい吸い込んで、パンの味わいを深める事が出来ると思いました。
希有な店と名文ここにありき。
たまにはまじめにコメントざんすよ。
(いつもやれって)
投稿: あんころりん | 2006-03-11 22:04
>あんころりんさーーーーん♪
ありがとうありがとう。そんなふうに感じ取っていただけてうれしいです。
いえいえあんころりんさんの文章は、いつでもまじめでいらっしゃいますよ、書き方がどうであれ(笑)、内面のまじめさが感じられますわよ。
投稿: kozue | 2006-03-12 21:55